個人事業主で運営中のクリニック・医療法人化によるメリットは?

クリニック開業・運営メディア『カイミー』です。
今回は
『個人事業主で運営中のクリニック・医療法人化によるメリットは?』
といったテーマで、医療法人化へなることでのメリット・デメリットをまとめました。

よろしければぜひご覧くださいませ。

目次

医療法人化(法人成り)することでのメリットは?

下記表へ個人事業主でのクリニック運営と、医療法人化(法人成り)することでの違いをまとめました。

基本的には税金面や社会保険、スタッフ様の社宅など医療法人化することでのメリットは非常に多い形となります。

個人事業主医療法人
所得税所得の上昇に比例して税率が上がる為(超過累進税率)高い所得の場合は所得税負担が大きなものとなる。法人税となるため、利益額にかかわらず一定の税額になる。
院長の給与院長の給与は事業所得となるため、控除はなし医療法人からの給与扱いとなるため、給与所得控除が使えるため税金面でのメリットがある。
退職金なし受け取れる
赤字の場合の繰越控除3年間
(色申告を行っている場合に限る)
10年間
(青色申告を行っている場合に限る)
生命保険個人での契約となるため、生命保険料の控除額に上限があり節税面でデメリットとなる。法人契約にすることによって損金に算入できる
社会保険(健康保険・厚生年金)全額を自己負担で行う必要がある。健康保険・厚生年金の半分は法人が負担する形となる為、その費用は損金に算入ができる。
社宅全額を自己負担で行う必要がある。医療法人の業務上必要な社宅を医療法人名義で契約することにより、クリニックスタッフがすむ社宅の費用を法人の経費にすることができる。
(一部は個人で負担する必要がある)
福利厚生全額を自己負担で行う必要がある。リゾート会員権などの年会費やスポーツジムの法人会員費用等を損金に算入できる
( 従業員も使用可にする必要がある)
分院の設立個人事業主の場合は分院ができず展開がしづらい面もある。分院の設立が可能となり、利益が出ているクリニックは事業拡大を行いやすい。

では医療法人化することでのデメリットは?

医療法人化する上で大きなデメリットとしては、多額のキャッシュアウトをともなうケースがある点となります。

また、個人事業主の時に設備投資等のために銀行などより借入を行っていた場合、設備資金に関しては医療法人へそのまま引き継ぐことが可能となります。

ただ、クリニックの運転資金については引き継ぐことができず、オーナー個人の借入金として残る形となります。

スタッフの社会保険への加入義務が発生する

個人事業主でのクリニック運営の場合、スタッフの人数が5名未満であれば健康保険や厚生年金といった社会保険への加入義務はありません。

ただ、医療法人化した場合には5名未満であっても社会保険への加入義務が発生しますので、法人が負担する金額も大きくなります。

また、そうした労務関係の手続き等も必要となってくる為、それに関わる人件費も必要となります。

事務作業の手間が増える

医療法人化した場合には、個人事業主の場合には必要がない

・事業報告書
・登記事項届

をクリニックが所在する各都道府県へ決算確定後に毎年提出をする必要があります。

また、2年に1度のペースで役員の選任も行う必要がある為、上記の社会保険への加入に関わる労務作業含め事務作業が大幅に増加する点は、医療法人化する上でのデメリットとなるかと思います。

院長個人の資金繰りに影響

個人事業主の場合と比べ、医療法人をした場合ではクリニック運営に関わる剰余金や配当・オーナーである院長個人への金銭貸付も法律により制限がされます。

その為、仮に院長個人が急に何かしら資金が必要となった場合にも、その制限内の中でしか使用することができない形となります。

個人事業でのクリニックから医療法人化する方法は?

個人事業によるクリニック運営から医療法人化する方法としては、主に下記2つの方法があります。

・新たに医療法人を設立する
・事業承継等により既存の医療法人を引き継ぐ

事業継承の場合は、現在運営しているクリニックと継承するクリニックの2つを医療法人として運営する形となりますので、事業拡大に繋がります。

ただ、当然ながらその場合には医療法人を引き継ぐための資金が必要となります。

まとめ

今回は個人事業によるクリニック運営から、医療法人化した場合の主なメリット・デメリットをまとめました。

オーナーである院長個人のみでクリニック運営を行う場合は別となりますが、基本的には売上を拡大する上ではスタッフ様を雇いながら事業を拡大していく必要があります。

そうした際に、社会保険へ加入できないクリニックでは中々求人も集まらないため、結果個人事業の場合もそうしたコストはかけるケースが多くなります。

その為、ある一定の売上を超えた際には、多くのメリットが出てくる医療法人化への法人成りは検討する必要があるかと思います。

カイミーではクリニック開業に関わる、建物設計・ブランディング・集患対策など、実際にこれまで開業をサポートさせていただきましたお客様事例を踏まえながら、その知見を活かしたサポート業務をおこなっております。

クリニック運営で知って得する情報発信も随時行っておりますので、ぜひクリニック開業のご相談・情報取得にカイミーをご活用いただきましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

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