クリニック開業・運営メディア『カイミー 』です。
今回は医院継承でのクリニック開業について、
その仕組みからメリット・デメリットをまとめました。
クリニック開業をご検討されているお客様はぜひご覧くださいませ。
医院継承でのクリニック開業とは？
通常クリニックを新たに開業する場合は、
クリニックを建てるための土地や建物を購入、またはテナント物件等への賃借での開業が主な形となります。
それに対して、医院継承とはすでに開業されているクリニックや病院などの医療施設を引き継ぐ形での開業となります。
親が運営されているクリニックを医院継承して運営を引き継ぐケースもあれば、そうした血縁関係がない第３者の方が運営されているクリニックを継承する場合の2種類がございます。
高齢化によりニーズが急増している医院継承
親からクリニックを引き継ぐというのは自然な流れと感じますが、第３者から運営しているクリニックを引き継ぐとなりますと、そんな良い話があるのか？
と思われる方も多いかと思います。
その点は、現在日本は少子高齢化が叫ばれており、その年齢層の構造は医療業界においても深刻な問題となっております。
実際に厚生労働省が2020年に発表しました
『年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』
によりますと、国内の医師の平均年齢はここ10年以上ずっと高齢化が進んでいるデータが発表されております。
2020年時点での医師の平均年齢はなんと60.2歳となっており、一般企業であれば定年の年齢となる年齢層が平均という非常に高齢化が進んだ構造となっております。
こうした高齢化が進んでいる影響で、代替わりを希望するオーナー医師も非常に多く、継承できるお子様がいないケースや家族以外への継承を望まれている方の需要により、現在、医院継承は新しいクリニック開業の形として大きな注目を集めております。
クリニック開業では医院継承が様々なメリットがあり
次に通常の自己資金により新たにクリニック開業をする場合と比較をして、医院継承でのクリニック開業による主なメリットを挙げてみたいと思います。
クリニック開業の為の多額の資金を抑えられる
クリニック開業は下記へ挙げましたような勤務医の平均年収よりも大きな年収アップにも繋がり、様々な金銭面・労働環境のメリットがあります。
…ただ、そうしたメリットのあるクリニック開業も、それを実現する為には多額な資金が必要となります。
クリニックを建てる場合には、
・土地代
・クリニックの建設費用
そして、クリニックを運営する為には、
・高額な医療機器
・各種備品
・ベッド等の設備
など、様々な機器や備品・設備を購入（リース）する為の資金が必要となります。
その点、医院継承によるクリニック開業の場合は、こうした費用を大きく抑えられるケースも多くございます。
例えば、最も大きな資金が必要となるクリニック建設に関わる費用も、すでに運営されているクリニックを引き継ぐ為に、建物の購入費用や内装に関わる工事費用等を抑えることが可能となります。
また、クリニックによってはベッドや必要な様々な備品も揃っているケースも多々ございます。
そして、さらに費用が大きく削減できるケースとして、そのクリニックで働く看護師等のスタッフもそのまま引き継ぐケースとなります。
その場合は、新規でクリニックを開業する際には非常に大きな採用のための資金が必要となりますが、そうした部分のコストも大きくカットすることが可能となります。
集患対策は広告宣伝費のコストもカット可能なケースもあり
すでにクリニックを長く運営していた場合、
その周辺エリアの皆様にはしっかりと認知していただけているかと思います。
特に新規でクリニックを開業された際には、そうした認知度の向上も必須となり、チラシを配るにしろ、Web広告やインスタ等SNSでの宣伝等にも非常に大きな資金が必要となってきます。
そうした点も医院継承の場合は、クリニックによっては丸っと削減することができ、より多くの集患をする為の広告費用のみへ集中することが可能となります。
ある程度の収支が予測できる
医院継承の場合は、これまでどのような運営状況でそのクリニックがきたかと言ったデータも知ることが可能です。
その為、新たにオーナーとなる医師の手腕にももちろんよる部分は大きいかと思いますが、ある程度はその今までの運営状況からは大きく下回ることなく、クリニックの運営が可能かと思います。
その為、大まかにどれぐらいの利益が出るかといった経営面も予想ができる点は医院継承の大きなメリットとなります。
スピーディーなクリニック開業へ向いている
クリニックを開業する際には、その準備だけでも相当な時間をようします。
また、こだわりを詰め込み出すとかかる時間も膨大となり、実際にクリニック開業をするまでは長い時間をようするケースは非常に多いです。
その点、医院継承であればすでにクリニックがあり、かつ看護師等のスタッフもおりとなれば、ケースによってはすぐにでもクリニックを開業することができる可能性もございます。
では医院継承をすることでのデメリットは？
医院継承でのメリットは上記に挙げましたように非常に多くございます。
特に資金面での点では、ゼロからの開業では無い分大きなメリットがございます。
…では医院継承でのデメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。
主なデメリットをまとめてみました。
希望するような継承案件があるとは限らない
医院継承はメリットが多いですが、シンプルにたまたま自分の求めている継承案件が市場にない・・・
といったことはもちろんございます。
例えば場所ひとつとりましても、
開業希望のエリアが狭い場合、そのエリア内のクリニックのオーナー様で、たまたま医院継承を求める方がいなければマッチングはできず、そうした方が出てくるまで待たなければなりません。
また、待つにしましても当然ながらクリニックを手放すオーナー様がいつ出てくるかは誰にもわかりませんので、いつまで待てば出てくるかどうかもわからない状態で待たなければなりません。
オーナーが変わることで患者様・スタッフ様が離れるケースも
医院継承の場合はすでに患者様もスタッフ様もおり、そのまま引き継ぐことでメリットがある。
…と上記へ挙げましたが、
こちらもオーナー様が変わられた際に、医師の対応が合わずに他の病院へ移られるケース、考え方が合わずにスタッフが離職をするといったケースも十分起こりえる可能性がございます。
医療機器の買換えや内装リフォームに多額な資金も
高額な医療機器も引き継げる点は大きなメリットとなりますが、時代に合わない医療機器や、修理等が必要な医療機器なども時にはあるかと思います。
また、内装に関しても、
『イメージに合わない壁紙が使用されている・・・』
『なんとなく古くさい内装が気に入らない・・・』
などの問題も出る可能性は多いかと思います。
そうした場合はリフォームをする必要があり、壁紙のみであればある程度は安価に済みますが、導線を含めた部分を変えようとなった際には、大掛かりなリフォーム工事となるケースもあり費用も大きく発生します。
医院継承の相場はどれぐらい？
ということで、ケースによってはデメリットもありますが、基本的にはメリットが大きい医院継承。
実際にどれぐらいの費用で可能となるのでしょうか。
こちらは一般的な医院継承の相場として、
2000万円〜5000万円ほどとされております。
新規で新たに開業する場合には上記金額よりも多額な開業資金が必要となるケースも多く、資金面的にはやはり大きなメリットがあるといえます。
また、医院継承は大きく2つの方法があり、一つはクリニック継承の譲渡対価としてクリニックの前オーナーとなる方へ支払う形。
そしてもう一つは、そうした医院継承の案件を仲介するM＆A請負会社に間に入ってもらう場合には、そうした譲渡対価にプラスして仲介会社へ手数料として数百万円（譲渡対価の1割ほどが相場）を払う必要があります。
医院継承はプロへ相談する方が良いか？
上記のように仲介する会社が入りますと、手数料として余分に費用が発生してしまいます。
ただ、実際はそうした費用を負担しても経験豊富なプロに間に入ってもらう形が推奨されております。
例えば、医院継承をする際には現在のクリニックの運営状況等をしっかりと把握する必要が必須となりますが、こうした経営に関する知識や財務諸表の見方などは、医療に関わる分野とは異なる為、医師の方でもなかなか正確に判断ができない部分は多くあるかと思います。
また、そもそもの案件数も常にバーゲンセールが行われているようなものではない為、常にアンテナを張っていなければなりません。
そうした部分も医院継承の知識を持った経験豊富なプロへ任せれば、そのクリニックの経営状況から、希望の案件に近いクリニックが出たさいの情報取得等も任せることが可能となります。
そして、オーナーと交渉をする際にも、どのような交渉が必要かを熟知したものが進める方が、こちらの望む条件で進めやすい点もございます。
内見の手配等も継承希望のオーナー様からすれば、随時連絡がとりやすい方が間に入ってくれる方がスムーズにいく為、好まれるという点も大きくございます。
クリニック開業をどのような形で進めるかぜひご相談ください
今回は医院継承についてまとめさせていただきました。
カイミーでは今回ご紹介させていただきました医院継承でのクリニック開業はもちろん、物件探しからのクリニック開業も資金計画から運営を考えたブランディングまであらゆる点をトータルにサポートさせていただいております。
実際にこれまでカイミーで携わらせていただいた、様々なクリニックの開業事例などもご覧いただきながら、わかりやすく強みをご説明させていただきますので、開業をご検討される際にはぜひお気軽にご相談いただきましたら幸いです。
今後も随時様々な情報発信もカイミーにておこなって参りますので、ぜひ定期的にチェックいただきましたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
