クリニックをやめる際『閉院』と『譲渡』それぞれのメリットは?

苦労をしてクリニックを開業した後、残念ながら閉院をしてしまうケースもございます。

今回はそうしたクリニックの閉院に至る理由や閉院時にかかる費用をまとめてみました。

目次

黒字でも閉院するクリニックが増加中

クリニックを閉めるというと、
患者さんが全く来なくなりクリニックの運営が厳しい為。

そうしたイメージもあると思います。

もちろん、そういった患者数が減少しクリニックの運営ができなくなるケースもありますが、黒字の状態でクリニックを閉院されるケースも年々増えております。

特にコロナ禍となり、クリニック内での感染症対策も従来以上に必要となり、そうした設備投資をするようであれば、年齢的にも引退をしようといったクリニック様も増えているようです。

実際に帝国データバンクの調べによりますと2021年の医療機関(病院・歯科クリニック・診療所)の休廃業・解散の数は567件あり、この数字は過去最高の水準となります。

そして、その567件の医療機関のうち、47 1件は『診療所』を運営されており、こちらの数字は、前年と比較して大幅に増えております。

この理由として、全国の診療所の多くが60歳以上のオーナー様となり、その年齢から後継者の問題やコロナ対策等により、赤字ではなくともクリニックを閉院・引退を選択される背景があります。

クリニックを閉院する際のメリットとデメリットとは?

クリニック閉院のメリットとしては、上記の通り後継者がいない場合やクリニックを存続させる意欲がなくなってしまった際、オーナー様の考えで好きなタイミングに引退をすることができる点となります。

クリニック閉院のデメリットは?

ではクリニックを閉院するデメリットは何があるでしょうか。

最も大きなデメリットとしては、クリニックを閉院させることによる多額の費用が発生することが挙げられます。

この閉院費用は、一般的に1,000万円かかるとされており、代表的な費用発生の項目が下記となります。

  • クリニック物件の復元・取壊し費用
  • 医療機器等の残債の清算や処分費用
  • 備品・医療廃棄物の処分費用
  • クリニックスタッフへの退職金
  • 法的手続きの諸費用
  • 税理士などへの報酬

特に大きくかかる費用としては、
下記が挙げられます。

クリニック物件の復元・取壊し費用

クリニックを賃貸物件で運営されている場合には、クリニックの内装・外装といった点を借りる前の元の状態への現状復帰が求められます。

また、土地を借りて上物のクリニックを建設されている場合には、更地へ戻すための解体費用等が発生します。

医療機器等の残債の清算や処分費用

医療機器の多くは金額も高額な為、リース契約をされるケースも多いです。
そうしたリース契約に残債が残っている場合は、当然ながらその支払いが発生します。

また、保有している医療機器であれば専門業者への売却となりますが、医療機器の価値によっては売却ができず費用を払って処分をする必要があります。

備品・医療廃棄物の処分費用

クリニックで使用する各種部品等は、ものによっては専門業者へ処分を委託する必要がございます。

特にクリニックを閉院する際には、全ての美品や医療廃棄物を処分する必要がある為、その費用は高額となってしまいます。

クリニックスタッフへの退職金

一般的に退職金はそれぞれのスタッフ様の『基本給×勤続年数』が相場とされております。
多くのクリニック様では、そうした費用をあらかじめ積み立てているケースが多いですが、そうされていない場合には非常に大きな費用が発生いたします。

クリニックを譲渡するメリットとデメリットは?

開業医が医師会へ加入するメリット・デメリット

クリニックを閉院するメリットは、オーナー様の好きなタイミングで引退ができる点が主となります。
ただ、デメリットはその為の費用負担が大きい点となりました。

では譲渡をする場合は、
どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

クリニック譲渡のメリット

クリニックを閉院する場合と、譲渡する場合で比較すると譲渡の最大のメリットは『譲渡益』が得られる点となります。

クリニックを譲渡(M&A)するということは、第三者のオーナー様へクリニックを売却する形となりますので、その売却益は閉院にはないメリットとなります。

また、閉院の際にはクリニックの物件の現状復帰や解体費用、医療機器の処分費用の問題がありますが、譲渡の場合はそうした点もそのまま売却できる場合であれば処分費用等がかからないケースもございます。

こうした金銭面でのメリットは非常に大きなものがあります。

クリニック譲渡のデメリット

クリニック譲渡のデメリット、こちらは好きなタイミングで引退ができる閉院とは違い、売却相手がいなければ成立しないという点となります。

当然ながら、買いたいと手を挙げる方がいなければ譲渡は成立しない為、場合によっては売却まで相当な時間を要することもございます。

また、クリニックを譲渡(M&A)する場合には、一般的な株式会社のM&Aとは違い、医療法の熟知が必須となります。

様々な法手続が必要となり、こうした点からクリニック譲渡(M&A)は専門知識と豊富な経験をもった専門業者への依頼が必要となります。

売却相手を見つける・交渉をまとめるといった点からも、知識や経験以外にもそうした様々なノウハウをもった専門業者を見定める必要があり、この点はハードルが大きくクリニック譲渡のデメリットとなります。

まとめ

今回はクリニックをやめる際『閉院』と『譲渡』それぞれのメリットとデメリットについて簡単ですが、まとめてみました。

倒産とは違い、後継者がおらず閉院するケースも冒頭に挙げましたように、このコロナ禍の中、増えております。

クリニックの『閉院』と『譲渡』は、
大きな点は金銭負担が発生してしまうか、逆に売却益が得られるか。
ただ、譲渡の場合には信頼して任せられる経験者が必要といった点となります。

カイミーではクリニックの開業サポートはもちろん、こうしたクリニック譲渡(M&A)に関わるご相談もご対応しております。
それぞれの分野の専門知識・ノウハウをもったエキスパートがおりますので、ぜひご相談いただきましたら幸いです。

今後もクリニック開業・運営・集患対策など、
様々な情報発信を行って参りますので、ぜひカイミーを定期的にチェックいただきましたら嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

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