クリニック開業・運営メディア『カイミー』です。
今回は
『クリニック開業前に考えるべき患者様からのクレーム初期対応』
といったテーマで、
必須なクレームへの初期対応をまとめました。
クリニック開業後は様々な患者様がご来院されますので、時にはクレーム等の問題も生じます。
そうした際に、問題を大きくしないための初期対応は非常に重要となります。
特にクリニックや病院などの医療機関でのクレーム発生は、大きな訴訟問題へ発展してしまうケースもございます。
よろしければぜひご覧くださいませ。
はじめにするべきクレーム内容の把握
患者様からクレームが出た際に、
最も早くするべきこととして
『すぐに謝罪をする』
といったイメージもあるかもしれません。
実際お怒りになられている方へはクリニックに限らず、
まずは謝罪をすることが誠意ある対応として重要なイメージはあります。
…ただ、クレームが出た際に真っ先にするべきこととしましては、謝罪ではなく
『クレーム内容の把握』
となります。
患者様がどのようなことへクレームを出されているのか。
不満となっている要因は何か。
といった内容をしっかり把握することが必須となります。
特にクリニックの場合は、
クレーム内容を把握する前にとりあえず謝罪をして済ませてしまおうとしてしまいますと、後々大きな問題へと発展してしまうケースもあり、クレームへの初期対応としてはまずはクレーム内容の把握ということを徹底する必要があります。
ケースによっては複数で内容把握にあたる
『クレームの内容を把握が重要』
…とはいえ、
ケースによっては患者様の感情をさらに刺激してしまうこともあります。
特にクレーム対象がスタッフであった場合には、その対象者が対応することで更なるクレームとなってしまうこともある為、ケースによって複数のスタッフによる対応を行い、
『まずは私の方で内容を把握させていただき然るべき対応が取れるよういたします』
とクレーム内容を把握することで解決へ向かう手助けをさせていただく姿勢が伝わるような対応が必要となります。
クレーム内容が正しいか否かを判断する
クレーム内容を把握した後は、
実際にその患者様のクレーム内容が正しいのかどうかの判断をする必要があります。
医師や看護師などクリニックスタッフへのクレームであれば、本人へ聴取などの聞き取りを行い、また本人が意識していない行動や言動によってクレームが発生するケースも往々にしてある為、周囲へクレーム内容を共有し、クレーム対象者に日常から問題があったかどうか・クレーム内容が起きてもおかしくなかったどうかなどの聞き取りもケースによっては必要となります。
クリニック側へ落ち度があったか否かにより対応を分ける
クレーム内容を把握し、その内容に対しての聞き取り調査等をおこなった後は、最終的には
『クリニック側の落ち度の度合い』
による対応を行う形となります。
クリニック側の問題が明確に大きい場合
患者様のクレーム内容に対し、クリニック側の問題が明らかに大きい場合は、即座に誠意ある謝罪を行う必要がございます。
また、診療等に関することへの問題であった場合には、賠償責任保険等による患者様への賠償についても即座に検討をする必要がございます。
気をつけるべきポイントとしては、
謝罪は当然ながら必要となりますが、賠償の問題は別として対応をすることとなります。
診療等の問題により生じた損害があった場合、その全ての損害を賠償するなどの約束は決してせず、治療費等の負担についても慎重に検討を行った上での回答をすることを徹底し、まずは患者様の要求を改めてご提出いただけるよう促す必要はございます。
その上で責任を負う部分とこれまでの判例等によりクリニック側が負う必要がない部分などの把握を行い、それを元に患者様と交渉に入っていくことが重要となります。
クリニック側の問題がない場合
クレームによっては一言で言ってしまいますと
『ただの言いがかり』
といったクレームも往々にしてございます。
その場合には毅然とした態度での対応も重要なポイントとなります。
患者様の勘違いや意思疎通によるちょっとしたコミュニケーションのすれ違いという場合もあれば、悪意をもったクレームの場合もあります。
前者の場合は、
できる限りそのずれた部分をわかっていただけるようなコミュニケーションを行い、後者の場合には毅然とした態度での対応と分けた対応が求められます。
また、執拗に謝罪を求められた場合には、謝罪ができない旨を再度伝え、弁護士等第三者へ相談の上で改めてご回答をさせていただく形を取り、その場を収める方向へ進めることも重要となります。
クリニック側の問題がその場で判断が難しい場合
クレーム内容を把握し、問題がわかった場合にもクリニック側へ問題があるかどうか明確な判断ができない場合もケースによっては多々あるかと思います。
その場合も、上記対応のように安易に謝罪をすることはなく、第三者へ相談した上で改めて回答をさせていただくことをお伝えする対応が重要となります。
その場合も、明日回答する等の期限を切ってしまいますと守れない場合等にこちらの立場が弱くなる点が出てしまう為、期限は切らずに
『可能な限り速やかに対応をします。』
という形で納めることに徹することが重要となります。
ケースにより弁護士や医事紛争処理委員会などを利用
全てのクレーム対応をクリニック内で対応する形ではなく、ケースによっては弁護士への相談はもちろん、保健協会など医事紛争処理委員会といった医療紛争の処理をサポートする窓口もあり、そうした窓口への相談等も含めたクレーム対応をすることが重要となります。
特にクリニックや病院といった医療機関の場合、法律に関わる問題となるケースも多々ある為、そうした部分は専門家の力を借りることは必須となります。
まとめ
今回はクリニック開業の前に検討すべき点として、
患者様からのクレーム問題・初期対応についてまとめさせていただきました。
クレームに対し、
安易に謝罪をしないという点などはクリニック内のクレーム対応マニュアルとして、開業前に用意をしておくともしもの際に一貫したクレーム対応が行える為、良いか思います。
カイミーではクリニック開業に関わる、建物設計・ブランディング・集患対策など、実際にこれまで開業をサポートさせていただきましたお客様事例を踏まえながら、その知見を活かしたサポート業務をおこなっております。
クリニック運営で知って得する情報発信も随時行っておりますので、ぜひクリニック開業のご相談・情報取得にカイミーをご活用いただきましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。